
名著全集『黄表紙廿五種』名著刊行会
高橋明彦様「半魚文庫」 蔵客を引き留める手練手管のないお女郎も、千手の手を借りて、お客をだます。ところが、レンタル貸しの手なので、期限が来て回収に来るのには困る。
お女郎「この子(禿=お付きの少女)は、お客さんがおいでなのに気の利かないことだ。お客さんに気づかれないよう、そっと返してくれればいいのに。早く持って行きなさい」
禿「だって、面の皮屋が取りにきたんだもの」
お女郎「禿というものは、手が鳴ったらお銚子のお代わりとさとるものだよ。おきゃくさんは、女郎に手がないときは、笑ってやって下さいね」
客「たくさん手のある人だ、まるで蛸のようだ」
(蛇足)お客の目の前で、手を回収されては、お女郎もたまりません。しかし、借りた手のあるうちは、お客さんに上手にフォローできてしまいます。
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