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大悲千禄本【六】

大悲千禄本六 名著全集『黄表紙廿五種』名著刊行会
 高橋明彦様「半魚文庫」

 字の書けない人は、大悲の手を借りて、手紙や証文などを書いてみる。しかし、仏の手なので、梵字しか書けず、通用しない。
 梵字と書状を取り違えて、用事というときに、梵字で書状が書けようか。へんてこだ。
 けちんぼうの了見は大したもので、ただ返してしまうのはもったいないと爪に火をともしてろうそくの代わりにする。これが「手燭」の始まりだなんて、はい、ちゃんちゃん。

 手「熱いよう、熱いよう」

 けちな男「やかましいろうそくだ」

(蛇足)調度の行き届いた部屋で筆を持っているのは字の書けない人。屏風に篆書があるところがおかしいな。その上には状差しと暦があります。
 爪に火をともす、手燭にこじつけたり、うまいです。座布団3枚差し上げましょう。手前のけちん坊とふたりとも長い羽織で、当時のかっこいい服装です。





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