
名著全集『黄表紙廿五種』名著刊行会
高橋明彦様「半魚文庫」 蔵そのころ、伊勢と近江の境、鈴鹿山に鬼神が住んでいて、みんなが困っていた。坂上田村麻呂に退治せよとのお言葉があり、千手の手がなくてはひとたび矢を放てば千の矢先、という狂言ができないので借りに来る。
田村「お手を一本二朱でお貸し下さい」
大悲「貸し出し中で一本もありませんが、取り集めてお貸ししましょう」
(蛇足)手がなくなった大悲は、布をまとって田村麻呂と話します。謡曲「田村」は、田村麻呂が大悲の助けを借りて、鈴鹿山の鬼神を退治したことを語っています。大悲はそれぞれの手に弓を持ち、矢をつがえて、ひとたび放てば千の矢があめあられ、と言うくだりがあるそうです。
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