江戸生艶気樺焼上巻其の一

 天理大学付属天理図書館

 ここに、百万長者といわれる仇気家の一人息子、艶二郎がおります。 歳は19歳、「貧乏病は苦にならない、ほかに苦しい病はないだろうか」などと歌っておる境遇であります。
 この男、もともと色好みの性格、恋愛浄瑠璃の原作本などをみて、玉木屋伊太八やうきよ猪之介の演ずる主人公の身の上のうらやましく思っております。
 恋愛に悩む男になって、もてもて男として人に噂されたい、そんな人生のためなら命を捨ててもいい、妄想はとどまることを知らず、思い立ったのは命がけのもてもて男としてのお芝居。

 艶二郎 「こんな身の上になったら、おもしろいだろう、幸せな連中だ」  





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