天理大学付属天理図書館 蔵
艶二郎は役者や女郎のようなつもりになって、名前入りの提灯と手ぬぐいを、回向院道了の開帳に奉納しようと思い立った。浮き名と自分の紋を、カップル紋にして付けようとする。
喜之介がそれを吉原近くの提灯屋に注文に行く。呉服屋へは手ぬぐいを、これもカップル紋で注文、かなりの出費である。これらをあちこちの人気寺社に目立つように奉納する。別になんの願もないのだけれども、こうすると、なるほど確かに、色男のようである。喜之介「大至急、骨は細かくつくり、側は漆で塗って、金具は真鍮でたのむ。とにかく、いくらかかってもよいから、立派にしてくれ」
提灯屋「すぐには出来ません。毎年このごろは、吉原夜桜の花見提灯をつくっております。」
(蛇足)浮き名と艶二郎共通の願い(例えば一緒になりたいとか)があるかのように、カップル紋(比翼紋)を付けた提灯と手ぬぐいを奉納しました。そうすることで役者気取りになる事だけでなく、宣伝効果も期待できる事も艶二郎も計算したのでしょう。 吉原は、花見や月見など、いろんな客寄せ行事をしたようです。提灯屋の様子はとっても興味深く観察できますね。
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