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江戸生艶気樺焼下巻其の二

天理大学付属天理図書館

 艶二郎はますます調子に乗って、かれこれするうち、勘当の期限の75日がきて、家からは帰ってこいと毎日催促される。しかしまだ、色っぽいことがしたりないと、親戚に取りなしてもらって、さらに20日間、勘当を延ばしてもらう。
 心中こそ、色男のする事だと思い、自分は命を捨ててもよいと思っている。しかし浮き名はもちろん承知せず、うそ心中をくわだてる。心中の現場に、先に喜之介と志庵をやっておいて、二人の南無阿弥陀仏というのを合図に、止めてもらうようにする。まず、浮き名を1500両で身請けし、小道具に、お揃いの小袖を造り、和歌の模様を染めさせる。これも呉服屋の儲けとなる。

志庵「花藍が書いた蓮の絵を上等の紙にから刷りとは、いい思いつきだ。」

喜之介「脇差しは銀箔を張りました。」

 二人の辞世の句は、刷りものにして、吉原へ配らせる。

(蛇足)花藍は、作者の師匠、北尾政重の俳名。そんなすごい人に、一連託生の意味を込めた蓮の絵を描いてもらい、墨を付けない版木で押して、凹凸で蓮の模様を浮き出させた。それに辞世の句を刷ったのかな。にぎやかに心中の用意、数珠や傘、提灯なども見えます。
 とうとう心中か、艶二郎。それにしても浮き名のさめた顔。散髪屋さんも訳が分からないのだろう。



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