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江戸生艶気樺焼下巻其の六

天理大学付属天理図書館 蔵

 ちょうど、延期してもらった勘当を復縁する日。艶二郎はこりごりして家に帰ってみると、着物かけには最前、三囲の土手で泥棒にはがされた小袖がある。

 不思議に思っていると、父親と番頭が出てきて、説教する。 父親「若いときは、男女交際に注意しなければならないことを知らないのか。思いつきがすぎると、こういうことになるものだ。我々が泥棒にまで身をやつして、打った芝居だぞ。以後、慎みなさい。喜之介や志庵とも、もうつきあわないだろうな。おまえばかりじゃない、世間にはこんなうわついた気持ちのものが多いのだ」

 艶二郎は初めて、世の中の事がはっきり解って正気になり、浮き名も醜男を我慢して、ほかにあてもなく、夫婦となる。もともとお金持ちの艶二郎の家は、不自由なく栄えた。
 しかし一生の噂の立ち納めに、今までのことを世間に広め、浮気な人々を教訓しようとうと京伝にたのんで、本にする。

艶二郎「ここで焼き餅を焼かれたら困るから、妾はどこかに行ってもらおう」

浮き名「私は風邪をひきました」

           終わり

(蛇足) 作者がでてくること、世間を教訓することは、黄表紙の結末でよくあるパターン。泥棒の正体は、艶二郎の父親と番頭でした。論語をひいて説教する父の気持ちが通じたか、艶二郎。浮き名の立ち納めとは、どうしても噂されたいんだな。浮き名が風邪をひいたのは、誰かが噂して、くしゃみがでると言うことでしょう。収まりのいい結末、作者の几帳面さを感じます。

 ここまで読んで下さって、どうもありがとうございました。
 次回より「大悲千禄本」をやってみようと思います。
 これからもどうかよろしくお願いします(^o^)






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