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江戸生艶気樺焼について

江戸生艶気樺焼(ゑどむまれうはきのかばやき)黄表紙  天明5年(1785)山東京伝画作。江戸通油町蔦屋重三郎刊。
あらすじ
 金持ちの息子艶二郎が、浮き名を流そう、女にもてようと様々なことを企てるが、元々醜男でもあった上に、通人ぶるところが裏目に出たり、全く効果が出ない。果てには、にせ心中を図ろうとする。この決して憎めないキャラクター艶二郎は、当時の江戸っ子の中に少しずつ在った気質を表現したものと思われる。

題名について
 江戸前うなぎは江戸っ子の好物で、京伝の洒落本「総籬」にも「青か白か」「すぢを、長やぎのことさ」などと調理方法にもこだわった。江戸自慢をそのうなぎであらわし、それに浮気をかけてもじった題名である。江戸前の浮気者、ぐらいの意味であろう。

後摺りと絵題簽
 初版 天明5年
 初版(上)  初版(中)  初版 (下) 

再版 寛政3年か4年頃 鏡の図案を用いた絵題簽を付した。
この構図は、同時期に後刷りされたと見られる「江戸春千夜一両」(初版天明6年)「三筋緯客気植田」(初版天明7年)「時代世話二挺鼓」(初版天明8年)などにも用いられている。
本サイトに掲載している作品はこれによる。
 再版(上)  再版(中)  再版(下) 

 再版 江戸春千夜一両(中)  再版 三筋緯客気植田(上) 

三版 寛政5年(1793)表題の文字が、「江戸生浮気蒲焼」となる。
 三版(下)

四版 昭和15年(1940)鏡の図案を用いた再版のものが、稀書複製會により翻刻される。

作品の影響
 モデルがあるのではないかとまで言われ、京伝の戯作者としての地位をゆるぎないものにした作品。艶二郎のだんご鼻は京伝鼻、自称色男のことを艶二郎と呼ぶのが流行した。「あんまり艶二郎でおざんすねへ」とは「三筋緯客気植田」で、遊女梅山の言葉である。
「會通己惚照子」(天明8年・1788)の京屋伝二郎、「人心鏡写絵」(寛政8年・1796)の作者京伝は、京伝鼻で登場する。また、京伝の後の作品である洒落本「総籬」(天明7年・1787)には、艶二郎、喜之介、志庵が、「碑文谷利四竹節」(寛政元年・1789)には二代目艶二郎うぬ太郎が登場する。続編や類作も呼び、ほかの作者によっても、艶二郎や京屋伝二郎は登場することになる。

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